データ救出方法の大分類
次に示すような手順で、慎重に、データの救出を行っていきます。すなわち、起動しなくなったパソコンについて、先ず、パソコンのスイッチを入れた後、どのようになるかで、大分類を行います。
①スイッチを入れても、ファンも回転せず、全く反応が無い場合や、ファンが回っても画面に反応が全く無い場合等では、パソコン本体のハード故障の可能性が大きい。
②スイッチを入れた後、パソコンメーカーのロゴの画面が現れて、一旦、画面が暗くなり、ここでWindowsの起動ロゴが出て直ぐにストップしてしまう場合や、スイッチを入れた後、Windowsの起動ロゴが出るまでの何処かで、白い文字が書かれた青い画面が出る場合は、インストールされているWindowsの不良かハードディスク不良の可能性が大きい。
1.上記の①項の場合のデータ救出
パソコン本体の故障の可能性が大きく、外部からのCDでの起動もできないので、ハードディスクを外して、データを救出するしか有りません。
外したハードディスクにACアダプター経由で電力供給を行うとともに、USBコネクターの付いた接栓で接続をします。
別のパソコンにUSB接続しますと、別のパソコンからは外付けHDDを見ているのと同じであり、 保存を希望するデータを読み取って別に準備した外付けHDD等に保存します。
ただ、この種の不具合では、パソコン本体とハードディスクが同時に壊れる事は稀ですので
データを完全に読み出せる可能性が非常に大きいと思われます。
しかし、最近の薄型ノートパソコンでは、ハードディスクの取り外しに慎重さを要し、場合によっては、周囲の結線等を傷つける可能性すら有ります。
2.上記の②項の場合のデータ救出
インストールされているWindowsの不良かハードディスク不良の可能性が大きいので、パソコンをCDによって起動させることを試みます。
CDを挿入する前に、パソコンにスイッチを入れてメーカロゴが出ている間に、機能ボタンのF2ボタンを押してBIOSを表示させ、内部のHDDより先にCDを読み取ってくれるように順序変更をいたします(なお、BIOSとはBasic
Input/OutPut Systemの略称で、 パソコンに接続されたハードを制御するシステムです)。
また、パソコン内のBIOSを表示させる機能ボタンは、従来はF2が多かったのですが、現在はメーカ・機種によって異なります。
パソコンでCDを優先的に読み取ってくれる設定が終了したら、「knoppix」という機能のCDをパソコンに挿入して、パソコンを起動させます。
無事に「knoppix」画面が表示されれば、ハードディスクを開いて、必要なデータを、別に準備した外付けHDD等に保存します。
ハードディスク不良で不起動になってから、何度も電源を入れますと、ハードディスクの不良が進行したり、何らかのデータが上書きされる事が有ります。それらが行われていなければ、体験上、5,6割のケースで、上記の操作でデータの救出が出来ます。
もし、「knoppix」画面が表示されても、ハードディスクが見つからない時は、ハードディスクが不良が進んでおり、このままでは、データ救出は出来ません。
また、パソコンの不良の種類によっては、「knoppix」画面の表示まで進まない事も有りますが、この場合には、ハードディスク不良ではない可能性も有り、1.項で説明のようにハードディスクを取り外して救出を試みる事も行います。
この段階までに、「knoppix」以外の「UBUNTU」や「Ophcrack」によるデータ読み出しも試みます。
「knoppix」等の画面においてハードディスクが見つからない、「knoppix」等の画面の表示まで進まないケースとしては、HDDの論理的障害が進み、パソコンや「knoppix」等では、HDDが認識できないことも考えられます。
このケースでは、別の項の
重症PC救済で示している方法で、比較的、簡単にデータを読み取れる場合も多いので、試みる必要が有ります。
不具合パソコンからデータを救出する方法については、パソコンメーカーやOS作成者が予め設計・提示している操作ではありません。
従って、一般の試行錯誤が必要で、時間がかかるケースも有ります。
パソコンがハード的に壊れている場合、連携しているボランティアグループに依頼すれば、ハードディスク、DVD等の読取・書込み装置、キーボードや液晶画面などの交換を、メーカー修理の半分以下の価格で引き受けられますので、お望みで有ればお申し出下さい。
さらに複雑な故障ではメーカ修理に出すしかありません。