データを救出できる場合
パソコンを使っているとさまざまな原因で不具合が起こりますが、ソフト的には、
OSの不具合による場合が圧倒的の多く、また、ハード的は、ダントツに多いのがハードディスク(HDD)の故障です。
いずれの場合でも、ハードディスク(HDD)のデータ記録部分が読み取れればデータの救済が可能です。
具体的なデータ救出方法
①パソコンがOS不具合で起動しなくなった時、OSの回復(R)コンソールで、
アプリケーションやユーザーデータを保持した状態で、 OS
を回復できる可能性が有りました。
しかし、個人ユーザー向けで、OSが予めインストールされているパソコン(プリインストールパソコンと呼ばれる)では、回復(R)コンソール機能が省略されている事が殆どです。
この場合でも、マイクロソフトから、そのPCのOSに合った起動ディスクをダウンロードして、回復コンソールの利用を試みる事は可能ですが、たいへん面倒な手順となります。
また、2007年の発売のWindowsVista以降のOSには、上記の回復(R)コンソール機能は有りません。
回復のため、何度も電源のON・OFFを繰り返すと、データ領域の上書きが進む可能性も有り、推奨できる方法では有りません。
② パソコンの電源が入って、メーカーのロゴ画面が表示されて、ハードディスクを読みに行っているのであれば、Windowsが起動されなくても、パソコンが動作していると言えます(たとえ画面上にエラーが表示されていたとしても、パソコンが動作はできているといえますのでOKです)。
この場合には、内蔵ハードディスク以外のデバイスから、パソコンを起動することを試みるべきであり、
CDから直接OSを起動できるソフトが存在します。
「KNOPPIX」という、1枚のCDから起動できるOSソフトです。
「KNOPPIX」はあくまでもLinux系であるため、パソコンによってはドライバ関係で正常動作しない可能性も有りますが、これまでの経験では、多くの場合に動作しました。
「KNOPPIX」CDをパソコンに入れて(BIOSで予め、CDを内蔵のHDDより優先して読み取るように順序変更をしたうえで)、起動させますと「KNOPPIX」の画面が開かれます。
その状態では、内蔵のHDDは、ちょうど外付けのHDDのように見えますので、別に用意した外付けHDDに、必要なデータをコピーします。
その他に、Windows PE (Windows Preinstallation Environmt)という、工場等でOSの
自動的なインストール時に利用する仕組みを、パソコンのCD起動に使ってデータを読み出す方法も有ります。
Windows PEは、工場等向けに販売されてきましたが、2012年3月で販売停止となりました。現在は、Windows Vista 及びWindows
7用のWindows PE相当のCDを、マイクロソフトから関連ソフトをダウンロードしてを作成できますが、作成が煩雑であり、また利用時の操作にかなりの慎重さを要しますので、推奨できる方法では有りません。
③「UBUNTU」という、Linux系のOSを利用する方法も有ります。
「UBUNTU」OSのCDを入れて、インストールする途中で、「インストールを試してみる」を選択して起動させ、別に用意した外付けHDDに、必要なデータをコピーします。
④ハードディスクを外部に取り出して、別のパソコンからデータを読み出す。
「KNOPPIX」CDを使わなくても、パソコン内のハードディスクを外部に取り出して、独立に電源をつなぎ、かつUSBコネクターの付いた接続端子をつないで、
別のパソコンからUSB経由で、データを読み出す方法が有ります。
⑤Ophcrackというソフトを使って、Administraterのパスワードを読み取る事ができて、同時に一部のデータも読み出す事が出来ます。
いずれにしても、起動しなくなったパソコンから、データを読み出す事は、予定された操作ではないため、上述の方法を試行削除して読み出すことが必要です。
ファイルシステムが壊れている場合の救出
ハードディスクに不良セクタが多数発生し、メモリを管理するファイルシステムにも問題が起こってしまい、ファイルのコピーや移動といった操作が行えなくなることがあります。
この場合には、セクタエラー有ってもデータを抽出できるソフト、例えば「Final Data:ファイナルデータ」が有効となります。
詳しくは、
重症故障時データ救出や
重症PC救出をご覧下さい。
上述のパソコンデータ救出のおいて、起動しなくなったパソコンを、データ救出のため、何度も立ち上げ操作をしますと、HDDに上書きが行われ、救出されるデータが減少する可能性が有りますので、パソコン内のハードディスクを外部に取り出して、独立に電源をつなぎ、かつUSBコネクターの付いた接続端子をつないで、別のパソコンからUSB経由で、データを読み出す方法が有利です。